コレピクドッター(専用ドット絵ツール)を使用してドット絵を描く場合に
役に立つかもしれない小技を紹介します。
ドット絵講座みたいに、上手なドット絵の描き方を指南することが目的ではありません。
コレピクドッターを便利に使う方法、作業を楽にする技などを
ご紹介していきたいと思います。
目次 |
BEFORE | AFTER |
ここでシルエットと言っているのは、透明部分以外を単色で塗りつぶした画像のことです。
そんなもの作って何の役にたつのか、と思われるかもしれませんが、この後説明する別の小技で使いますし、他にもいろいろ応用の利く場面があるのではないでしょうか。
STEP 1
この方法では、特定のレイヤーに対してシルエットを作ることができます。複数に分かれたレイヤーのシルエットを作りたい場合は、それらのレイヤーを結合したレイヤーを作成してください。レイヤーウィンドウのメニューから「結合」を選びます。 まず、新規レイヤーを作成して、シルエットに使いたい色で一面塗りつぶします。右図はLayer4という名前の新規レイヤーを塗りつぶしたところです。 |
STEP 2
Combinedレイヤーのシルエットを作ります。レイヤーウィンドウで"Combined"の文字のあるあたりをクリックして選択状態にしてください。(選択中のレイヤーはボックスが紺色で表示されます。) ツールバーで色選択ツールを選択し、Combineレイヤーの透明部分をどこでもいいので、クリックします。上手くクリックできれば右図のようになります。Layer4が邪魔で透明部分をクリックしづらいなら、Layer4の表示・非表示切り替えボタンを押して、一時的にLayer4を非表示にしましょう。もう一度ボタンを押せば、Layer4が表示されます。(STEP3が終わったあとでも大丈夫!) |
STEP 3
STEP 2 で透明部分が選択された状態のまま、レイヤーウインドウでLayer4を選択状態にします。Layer4のボックスが紺色になっているか、確認してください。 Layer4が選択された状態で、[Delete]キーを押す(または、編集メニューから「削除」を実行)すると、右図のようにシルエットができあがります。 ところで、STEP 2 で使った色選択ツールは、同じ色の部分を一括選択するツールなので、背景が透明色ではなくとも、シルエットを作ることができますよ。 |
BEFORE | AFTER |
アイテムの外回りに境界線をつけるかどうかは作家さんの好みですが、私はつけるタイプです。境界線をつけるとアイテムの存在感が引き立ちます。
ところで、境界線をつけるタイプの作家さんは色をつけた後で境界線を描くことは少ないかもしれません。 私も基本的には境界線を先に描くのですが、複雑なアニメーションアイテムの場合は、ラフな動きから肉付けしていき、最後に境界線をつけるということがあります。これはそんな場合に役立つ小技です。
STEP 1
この方法では、特定のレイヤーの周囲に縁取りをつけることができます。複数に分かれたレイヤーに縁取りを作りたい場合は、それらのレイヤーを結合したレイヤーを作成してください。レイヤーウィンドウのメニューから「結合」を選びます。 まず、境界線をつけたいレイヤーのシルエットを作成します(シルエットの作成法はこちら)。色は境界線の色にしてください。右図はCombinedという名前のレイヤーからLayer2という名前のレイヤーにシルエットを作成したところです。 |
STEP 2
次のステップの作業のために、シルエットレイヤー(Layer2)全体をコピーします。右のレイヤーウィンドウで"Layer2"の文字のあるあたりをクリックして選択状態にしてください。(選択中のレイヤーはボックスが紺色で表示されます。) 編集メニューから、「すべて選択」と「コピー」をそれぞれ実行してもいいのですが、ショートカットキーを覚えると便利です。コントロール([Ctrl])キーと[A]キーを同時に押すと「すべて選択」、[Ctrl]キーと[C]キーを同時に押すと「コピー」ができます。 |
STEP 3
コピーしたシルエットを上・下・左・右にそれぞれ1ドットづつずらして、4回「貼り付け」します。 この操作もショートカットキーを使いましょう。[Ctrl]キーと[V]キーを同時に押すと「貼り付け」ができます。その後ただちにカーソルキーを押せば、カーソルの矢印の方向に1ドットづつ移動させることができます。 |
STEP 4
今や、Layer2はシルエットが上下左右に1ドットづつ太った状態になったはずです。 レイヤーウィンドウ(右図、右側)では、レイヤーの名前のあたりをドラッグして上下に動かせば、レイヤー順序が入れ替わります。シルエットレイヤーが元画像レイヤーの下になるようにしてください。 境界線の完成です。 |
BEFORE | AFTER |
複雑な模様のアイテムに陰影をつけるのは、地道にドットを打っていくと非常に面倒です。それだけでなく、陰影の境界が打っている本人ですらわかりにくくなり、あるドットに適切な色を選ぶのに非常に神経を使います。
それでは、陰影を気にせずに模様が描けて、あとから陰影をつけられるとしたらどうでしょう?ここでは、その方法をご紹介します。
STEP 1
まずは陰影など気にせず、全体が同じ明るさだと仮定して、模様を描き込みましょう。 |
STEP 2
次に、元画像より明るい色、または暗い色の画像を作成します。今回の例では、元画像はやや暗めの色を使って描いたので、オリジナルより明るい画像と暗い画像をそれぞれ一つづつ用意することにします。お好みで、明るい方か暗い方のどちらか一方だけでも構いませんし、パレットに余裕があるなら、もっと明るい画像、もっと暗い画像、など用意して使うこともできます。 まずは、元画像をコピーして新しいアイテムを作りましょう。 最近のアップデートで、レイヤーのドラッグ&ドロップでは新規アイテムが作れなくなりました。アイテムツリーから複製を行ってください。 |
STEP 3
複製した画像全体を明るく調整します。「全素材」メニューから「カラー調整」を実行すると、右のようなダイアログが表示されます。「画像」メニューにも同じ「カラー調節」メニューがあるので、間違えないようにしてください。 OKボタンを押すと調整が適用されます。パレットウィンドウのメニューから「パレット保存」を選んで、適当な名前を付けて保存します。 |
クリックで拡大 |
STEP 4
オリジナル画像(もし閉じていたら開いてください)を選択して、パレットウィンドウのメニューから「パレット読込」を選び、先ほどSTEP3で保存したファイルを読み込みます。 右のようなダイアログが出ますので、左側のパレットから、必要な色を全て右側のパレットに貼り付けます。 |
クリックで拡大 |
STEP 5
オリジナル画像に新しいレイヤーを作成し、そこに先ほど複製した画像をコピーします。ショートカットキーを使うとよいでしょう。複製画像を選択して、[Ctrl]+[A]、[Ctrl]+[C]を押すと、画像全体をコピーします。次にオリジナル画像を選択して[Ctrl]+[V]で貼り付けです。 |
STEP 6
さらにSTEP 2 〜 5 を繰り返して暗い画像を作成し、別のレイヤーに貼り付けたのが右図の状態です。 ちなみに、暗い画像を作成する際、STEP 3 では明るさを-40にしました。 この時点で パレットは左のようになりました。 |
STEP 7
ここまで来たら、あとは「暗い」・「明るい」レイヤーを透明色で削ってやるだけなのですが、フリーハンドではやはり心許ないので、型紙を用意します。まずは、基礎編で説明した小技を使って、右図のようなシルエットを作成しましょう。ここでは、新しい色でシルエットを作りましたが、パレットに余裕がなければ、既存の色で構いません。(明暗の区別がつきやすい中間色がいいでしょう。) |
STEP 8
STEP 7 で作成したシルエットを型紙として、陰影をつけましょう。 今回は、オリジナル画像に「明るい」・「暗い」の三階調を使うので、型紙も明るい・中間・暗い、の三段階で塗り分けます。 柔らかな陰影にしたいときは、タイルパターンで色置換するといいでしょう。(ただ、模様が複雑で細かければ、どのみち陰影の境界がハッキリ見えないので、ある程度適当でいいです。) |
STEP 9
型紙を使って、まず「暗い」レイヤーを削りだします。レイヤーウィンドウ(右)でシルエットのレイヤーを選択状態にし、色選択ツールでシルエットの「暗い」色をクリックすると、右図の様にそのレイヤーにおける同色部分が全て選択されます。 |
STEP 10
「編集」メニューから「選択領域の反転」を実行します。すると、右図の様に先ほどクリックした色以外の部分が選択された状態になります。 |
STEP 11
そのままの状態で、。レイヤーウィンドウ(右)で「暗い」レイヤーを選択状態に(レイヤー枠が紺色になったことを確認!)し、[Delete]キーを押します。 これで「暗い」レイヤーの型抜き完了です。 |
STEP 12
再びシルエットレイヤーを選択して、今度は色選択ツールで「明るい」色の部分を選択します。 STEP 9 〜 11 と同じようにして「明るい」レイヤーの型抜き完了です。 |
STEP 13
仕上げに、シルエットレイヤーを非表示にしてやれば完成です。 オリジナル画像は一番下にあるので、型抜きする必要はありません。オリジナル画像をそのまま残しておけば、またいつでも陰影づけのやり直しができるので、オススメです。 |